【プレ学習会】最先端の脳科学から学習の在り方を考える

●令和3年11月18日(木)6・7限に、「海馬と記憶」の研究で知られている脳科学者の東京大学教授池谷裕二先生の講演会を開催します。脳に関する研究領域は、「医学研究界の最後の砦」(池谷裕二 1990)とか、「生物学の最後の秘境」(雑誌「ニュートン」2019)といわれています。人工知能(AI)の開発(義手義足の開発、囲碁将棋ロボットなど)にも最先端の脳科学の成果が生かされています。

安城東高校の皆さんへ、池谷先生からのメッセージ!

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脳を使いこなすコツは、脳のしくみを知っておくことです。がむしゃらに酷使するだけでは、脳はうまく作動してくれません。脳はどのように作動しているでしょうか。効率的な学習法とはなんでしょうか。やる気はどうしたら出せるのでしょうか。当日はそんな問いについて皆で考えたいと思います。(2021年10月5日付)****************************************************************************************************

●池谷先生曰く、「脳科学の成果を知らずして学習することは、スポーツのルールを知らずして試合に挑むようなもの」だそうです。池谷先生の研究成果のプレ学習の機会として、「私の個人的な体験と脳科学」について、10月から11月にかけて、全学年対象に学校長が50分のプレ学習会を実施します。以下は、10月4日(月)に3年生対象に行ったプレ学習会で取り上げた事柄です。1、2年生については、11月1日(月)、8日(月)に開催します。

・「記憶」はどんな学習方法で定着するか?(「The Critical Importance of Retrieval for Learning」2008 SCIENCS -VOL319 より)

・ニューロンとシナプス、fMRIの技術(小川誠二氏の開発)

・長期記憶と短期記憶(PCにおけるHDとRAMの関係)

・海馬、シータ波と偏桃体、レミニセンス効果

・ライオン法(動物としての本能から知る学習法)

・睡眠による熟成(記憶のゴールデンタイム、分散学習の効用、学習における時差ボケ)

<プレ学習会についての生徒感想>

【3年生】

○夜、寝る前に暗記科目をやるのがよいというのは聞いたことがありました。しかし、勉強方法の条件によって、あれほどまでに差が出るというのは知りませんでした。自分の勉強にも取り入れていきたいと思います。11月にある講演会でより詳しいお話を聞けるのが楽しみです。

○海馬というのは長期記憶へ持っていく為の入口のようなものです。ところがこの海馬は、生きていく上で必要とさせる情報しか通過はさせてもらえないとの事です。すると僕達が今学んでいるものは生きていく上で必要とされないものが多いと判断されてしまいます。しかし何回も反復すれば海馬は「この情報は必要不可欠なんだな。」と認識させる事が出来るそうです。ですので今やっている勉強を何回も反復します。

○縄跳びが集中力に繋がる事を初めて知りました。実践します。 最後に配られた紙の言葉に心を打たれました。勉強が上手くいかなかった時などいつでも見る事が出来るように壁に貼りました!

○これから勉強する時に「海馬」に覚えてと語りかけようと思います!! 脳科学って聞くだけで難しい感じがして興味なかったのに、すごく11月楽しみです!

○今まで何気なく勉強していましたが、一生懸命暗記や記憶をしている自分の脳について知る事ができて、さらに講義を聞きたいなと思いました。 実際に、友達と問題を出し合ったりするととても記憶に残るし、耳から入って口で言ってアウトプットすることはいいなと思いました。11月の講演が楽しみです!

【2年生】

○短期記憶と長期記憶がある事は知っていたけど、具体的にどういった方法で長期記憶に出来るのかを理解していなかったので、これからは一か月ごとに復習して出来るだけ多くの知識を身に付けられるようにしたいと思いました。脳に関して知っている事があまり無いので全校学習会がとても楽しみです。

○記憶も睡眠と同じで深く記憶するものと浅く記憶するものがあるとわかりました。深く記憶するものは生きていく上で必要なことだと聞き、覚えられないことがあるのは、頭のどこかでこれはいらないと思ってしまっているからなのかなと思いました。覚えるうえで、アウトプットが大切だとわかりました。また、跳ぶことや歩くことも足の裏の神経を刺激するので記憶しやすいと聞き、とても興味深いお話だと思いました。

○今回の校長先生の話と今までの自分の勉強の仕方を比べてみると、せっかく勉強しても無駄になってしまっていることもあるのかなと感じました。寝る前に暗記教科をやるといいとよく聞いていたけれど、それは本当のことなんだなと分かりました。効率的に勉強することもこれからは大切になってくると思うので、池谷教授の話が楽しみです。

○今回の話を聴いて「失敗は成功の元」という言葉が頭を通り過ぎた。最後に配られた紙に書いてあった「成功を願い続けた人だけが成功している」というのを見て、その通りだと思った。だがそれだけではいけないと思った。もちろん成功に向けて強く志をもつことは重要なのだが、その成功に向けてがむしゃらに努力するだけでは成功できない。成功のための適切な方法を模索し、遂行することこそ重要なのだろうと思った。その点私はある目標をもち、成功のための方法を模索し遂行して3年が経ったが成果は出ず、周りの人が成功していくのをただ見ているだけでした。やはり人には向き不向きがあると思う。あれは私には不向きだったのだろう。そう思って誤魔化さないと苦しくてしょうがない。それか方法がよくなかったのか?少なくともこんな風にネガティブなことを考えるよりは、その失敗から次に繋げられた方がいいと思った。それができる人に、私はなりたい。

○今まで勉強で失敗することがたくさんあってどうしてできなかったんだろうと悩んでいたのですが、解決できました。 ニンゲンの脳に定着しやすい勉強法を自分の中でしっかり編み出していきたいです。

【1年生】

○自分の感情のコントロールの仕方を知りたいです。心と脳は同じなのか気になります。また、人工知能によって人々は支配されてしまうのかというのも興味あります。

○勉強の仕方についてのデータは、割とはっきりしていて面白いなと思いました。一時的なものよりずっと継続してやることが一番結果に結びついていて、最近英単語の勉強をサボりがちだったのでこれから計画的にやっていこうと思いました。 18日の全校学習会でたくさんの学びができることを期待しています。

○”脳科学を知らずして勉学に励む事は、ルールを知らずに大会に出るようなものだ。” という池谷教授の言葉にとても驚いた。睡眠中の夢の話や、記憶の定着の話など意外と身近な所に脳科学があることが分かった。 池谷教授の話についていけるように、自分でも、体感しながら脳科学について軽く触れながら、難しいという先入観をあまり持たずに学びたいと思う。

○ルールを知りスポーツを行うように、勉強も脳を使っている意識をもって学びたいです。この話を聞いて、とても興味を持ちました。脳科学の全校学習会楽しみです。

○海馬に勉強内容を生きるために必要なことと騙せるように、目標を達成するような前向きな気持ちで勉強したいと思った。 脳科学は難しいと思っていたが、ある程度理解し、実生活に役立てることができることに気が付いた。

○ただ何も考えずに勉強するのと、自分の頭に入れることを意識して勉強するのとでは結果が違ってくるのだと思いました。今回の話を聞き、アウトプットすることでより脳に定着しやすくなると知りました。私は今までインプットを重視して勉強を行ってきたので、アウトプットにかける時間をもっと増やしていこうと思いました。行った実験からどんな風に勉強していったら良いのかを知り、とても面白いと感じました。

●また、池谷先生の2016年と2018年のマウスを使った実験結果「誤答の研究─脳科学の研究で分かった「失敗こそが学び」」(クリック!)も大変参考になります。

●池谷先生の略歴(HPより)

1970年8月16日 静岡県藤枝市生まれ
1998年3月30日 東京大学・大学院薬学系研究科にて薬学博士号取得
1998年4月1日 東京大学・薬学部・助手
2002年12月17日~2005年3月31日 米・コロンビア大学・生物科学講座・客員研究員
2006年2月1日 東京大学・薬学部・講師
2006年10月1日
~2011年3月31日
科学技術振興財団さきがけ・研究員(併任)
2007年8月1日 東京大学・薬学部・准教授
2014年4月1日 東京大学・薬学部・教授

●本校の図書館には、池谷先生の下記の書籍があります。是非参考になさってください。これを機会に、学習の在り方について、脳科学の視点から見直してみましょう。

「進化しすぎた脳」、「記憶力を強くする」、「脳には妙なクセがある」、「受験脳の作り方」(これはわかりやすい!!)

●以下に池谷先生ご自身のHPがあります。事前に情報を入れておくと、11月の講演会が充実します。興味関心・好奇心をもって講演会に臨むと「シータ波」が出され神経細胞が活性化する、これも脳科学の研究成果です。

http://gaya.jp/ikegaya.htm