「日日是好日」開設に思う

●この言葉を聞くと、映画「日日是好日」を思い出す人は多いだろう。この作品は、茶道教室に通った約25年について記した森下典子のエッセイ(「日日是好日-「お茶」が教えてくれた15のしあわせ-」)を映画化したものである。

●母親の勧めで茶道教室へ通うことになった大学生が、茶道の奥深さに触れ、成長していく姿を描いている。茶道の先生を演じるのは樹木希林である。彼女は、本作公開前の2018年9月に他界した。

●「世の中にはすぐに分かるものと分からないものの2種類がある。すぐに分からないものは、長い時間をかけて少しずつ分かってくる」とは、この作品の中の言葉である。

●そういえば、心理学者であり教育学博士である故河合隼雄さんの最新著作集に、「解答をすぐに求めないこと、問いを温めておくこと、それを持ち続けることの大切さ」が説かれていた。日本人の心の在り処と人間の根源を深く問い続けた河合さんの言葉とこの作品の言葉が私の中で重なった。

●この安城東高校独自のページの開設にあたり、もう一度この映画をじっくりと見直そうと思う。新しい発見と新たな問いが見つかるのかも知れない。

(村瀬@学校長)