令7 3学期終業式より(R80318)「3年間話してきた2つのこと “グローカルな視点と主体性”」

私が安城東高校に赴任して、丸3年となります。その間、私は始業式と終業式を今日を入れて18回経験したので、私の式辞も今回が18回目となるわけです。振り返ってみると、私はこの3年間、他に卒業式の式辞や碧海野だよりの巻頭言なども合わせると、話題や切り口を変えながら、特に二つのことを意識して言い続けてきました。一つ目は「グローカルな視点を持とう」ということであり、もう一つは「主体性を持って行動しよう」ということです。

この二つは東高スクールポリシーの中で、最も重要な項目であり、東高が人材育成の中で目指しているものです。グローバルな視点とローカルな視点を併せ持つことは、国際理解教育が大きな特色の一つである東高では、必須なものですし、主体性も、みなさんがこれから不確実な現代社会を生きていくにあたって、必ず必要となるものです。

今までお話してきたお話は全て東高のHPの中の「日々是好日(にちにちこれこうじつ)」というコーナーにアップしてありますが、今日はそれをまとめてその一部をざっとお話ししてみたいと思います。

 

  • 「秒速5cmと秒速11.2kmの視点」(令和5年1学期始業式)

これはアニメ映画「君の名は。」で知られる新海誠監督の昔の作品で、昨年末に松村北斗さん主演の実写でも公開された「秒速5センチメートル」という映画を題材に話しました。映画に出てきた、秒速5cmという桜の花びらが舞う速度と、秒速11.2kmというロケットが宇宙に飛び出す速度の二つの視点を両方併せ持とう、つまり、速さと遅さ、緩と急、マクロとミクロ、大と小、グローバルとローカルといった、違う視点を持つと視野が広がって、客観的な判断ができるようになり、気持ちにゆとりと強さが生まれますという内容でした。

 

  • 「生成AI時代に必要な2つの能力」(令和5年1学期終業式)

生成AIが一般的になっていくこれからの時代では、主体的な自己選択能力と、言葉に気持ちや体温を乗せることが重要だというお話をしました。

 

  • 「東校の遣豪使~実体験から想像体験へ~」(令和6年2学期始業式)

私が奈良旅行に行って、復元された遣唐使船を見たことと、その直前に行った訪豪団のことを重ね合わせてお話ししました。訪豪団に行った生徒は、古代の遣唐使と同じように、体験や感じたことを他の生徒と共有をしてほしいということと、他の生徒も共有したものを想像体験してほしい、それが過去の日本の歴史がそうであったように、学校全体の発展につながるのだ、という内容でした。

 

  • 「ふてほど、昭和と令和―自由の中の主体性―」(令和6年2学期終業式)

令和6年の流行語大賞になった「ふてほど」は、テレビドラマのタイトル「不適切にもほどがある!」を略した言葉ですが、昭和の時代に比べて、分野によっては自由度が高くなっている令和の社会では、行動基準は自分で作らないといけなくて、自己責任の中で主体的で自律的な行動が求められる、という内容でした。

 

  • 「イチローさん殿堂入り『1票足りなくてよかった』について~リフレーミング~」(令和6年3学期終業式)

元野球選手のイチローさんが、アメリカの野球の殿堂入りするにあたって、満票選出を逃した時に言った言葉「1票足りなくてよかった。人は不完全だから前へ進むことができる」を引用して、マイナスの要因を、プラスの方向に考えるポジティブな考え方をしよう。つまり考え方の視点を変えよう、リフレーミングしようという内容でした。

 

  • 「《50》から《51》へ 《達》から《続》へ」(令和7年3学期始業式)

50という数字に到達することは非常に素晴らしいことであるけれど、その続きである51に向かう姿勢も同じくらい大事である、校訓「達」には続きがある、常に道の途中であるという意識をもとうという内容でした。

 

その他にも、「50周年記念行事について」「今年度の学校スローガンについて」「GLSについて」「GLS講演会と同窓のつながりと母校愛について」「バタフライエフェクトについて」「レジリエンスについて」「《謝》とコミュニケーションについて」などといったお話をしてきました。

 

人は生きていく上で、何らかの組織に所属することがほとんどです。そしてその所属している組織の影響を大なり小なり受けています。その意味では、皆さんが今、安城東高校に所属していることで、無意識の中であっても何らかの影響を受けているはずです。例えば担任の先生や、教科担任の先生や、部活の先生がお話ししたこと、あるいは外部講師の方によるお話が、直接的でなくても自分の意識下に残って、自分の考え方や行動の土台や指針の一部になることもよくあることです。というか、そうなってほしいと私は願っています。安城東高校にいたことが、これからの人生の中での考え方や進むべき道に何らかの良い影響を与えた、となってくれるといいな、と思います。その意味で、東高のスクールポリシーの重要部分でもあり、私が3年間言い続けたことでもある「グローカルな視点を持とう」言い換えれば「視点を変えてみよう」と、「主体性を持って行動しよう」この二つのことは、東高生でなくても非常に重要なことですので、ぜひみなさんの頭のほんの片隅にでも残してもらえると嬉しいです。みなさんは4月からはそれぞれ新2年生、新3年となります。今までの自分の立ち位置から一歩前に出て、何でもよいので積極的に主体的にチャレンジしてみましょう。そして視野を広く持って、常に別の視点からも物事を考えてみる癖をつけてみましょう。以上です。