「バタフライエフェクト」に思う
令和4年度 安城東高校のテーマ 「バタフライエフェクト」
20220407/1学期始業式の言葉
〇春は魔法の季節、冬の間は何も気付くことのなかった生命の躍動を感じる季節です。冬越しの野菜、枯れ木にしか見えなかった草木の芽が一斉に吹き始める。天候の変化だと分かってはいるものの、毎年不思議に思う気持ちに変わりはない(2022313朝日新聞「天声人語」)。その不思議な気持ちは、感動をよぶ。どうやら、不思議に思う気持ちと感動とは、無関係ではいられないらしい。
〇それではもう一つ、不思議な現象を見てみよう。二分程度のビデオです。何を語っているか、皆で考えてみたい。今日は、あるクラスとオンラインでつながっている。どなたかに聞きますよ。
https://www.youtube.com/watch?v=BaxBFnIUTrc(クリック!)
〇私はこの作品を見たときに、ある言葉が浮かびました。それは、「バタフライエフェクト」という言葉です。同名の映画が2004年に公開(クリック!)されています。過去に戻ることのできる能力を持つ主人公エヴァンが、何度も過去に戻り、昔の出来事を意識的に少し変えてみて、その結果、大きな変化が生まれてしまった人生を、繰り返し経験するというような話です。
〇この「バタフライエフェクト」という言葉は、いまから約50年前に、気象学者エドワード・ローレンツ(クリック!)の「ブラジルの一羽の蝶の羽ばたきが、テキサスで竜巻を引き起こすか?」という問いかけに由来しています。ほんの些細なことが、徐々にとんでもない大きな現象の引き金になる、通常なら無視できると思われるような極めて小さな差が、やがては無視できない大きな差となる現象のことを指します。
〇私たちはこれまで、日々の些細な選択によって、人生を大きく左右させてきたといってよいでしょう。私たちの今にいたる要因をたどっていくと、些細なことが今につながっていることがわかるし、大きなことは些細なことの連鎖によって起こっていることが分かります。大切なのは、大きなものの陰に隠れた些細なことにも目を向けることができれば、ルーティーン化していると感じる毎日の生活にも変化がうまれ、その景色も違ってくるということです。重りのついたひもをぐるぐると同じ周期で回す日常も、少し中心を変えてやれば、異なる軌道がうまれ、見える景観も変化する。
〇イソップ物語「三匹のカエル」という話があります。ある日、ミルクが入ったつぼの中に3匹のカエルが落ちてしまった。1匹目のカエルは後ろ向きな性格で、どんなにもがいてもこのつぼの中から出られないだろうと思い、もがくことをすぐにやめ、ミルクの中に沈んでいってしまった。2匹目のカエルは楽天的な性格で、そのうちに助かるだろうと思い、何もせずにいたら、ミルクの中に沈んでいってしまった。3匹目のカエルはどうにか助かろうと、一生懸命にもがき続けた。すると、もがいているうちにまわりのミルクがバターに変わり始め。それを足場にして、3匹目のカエルは外へ飛び出すことができた。
〇3匹目のカエルは、「ミルクをかき回し続ければバターになり、それを足場に脱出できる」ことを知っていたわけではありません。助かりたい一心で、もがき続け、結果として大きな変化を生み出した。
〇令和4年度、学校としての変化は、木曜7限の開始時期をいつもよりも遅らせることです。総体予選・東高祭が終わるまでは、木曜日は、特別のことを除き6限とします。多くの部活動が総体予選で勝ち抜くことを目指して取り組んでいる。その練習時間に充ててほしい。その代わり、秋から本格的に木曜7限を設定します。小さな変化が大きな成果をもたらすことを私は期待している。
〇では、最後に、皆さん方個人としては、小さな変化をどこに見い出すか?それを問いかけて、1学期の始業の言葉としたい。昨年度の学校テーマは「知的な雪かき」(クリック!)、本年度のテーマは「バタフライエフェクト」です。
*今年も校長室には、「Come Come Everybody!」(クリック!)!です!!
村瀬@学校長