令和8年度 2学期 始業式

令和8年度 2学期 始業式 式辞

今日から二学期が始まります。夏休みはどのように過ごしたでしょうか。先ほども多くの人を表彰しましたが、部活動や勉強に励んだ人、家族や友人との思い出をたくさん作った人もいることでしょう。

この夏も大変暑い日が続きました。皆さんも体調管理に気を配りながら過ごしていたことと思います。また、熊本の地震や千葉、そして先週の北陸地方での集中豪雨など、大きな自然災害が発生しました。被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げますとともに、皆さんのご親戚やお知り合いの方のご無事を願っています。

このように自然災害は、どれほど科学技術が発達した現代でも、完全に防ぐことはできません。だからこそ、私たちは日頃から災害への備えを怠らず、自らの命を守る方法を考えておくことが大切です。

さて、本日9月1日は「防災の日」です。1923年9月1日に発生した関東大震災の教訓を忘れず、地震や台風などの災害への備えを再確認する日として、1960年に制定されました。

皆さんが生まれる前、愛知県でも大きな水害が発生しました。「東海豪雨」です。その当時の話を少しします。

2000年9月11日から12日の未明にかけて、台風から流れ込んだ暖かく湿った空気の影響で秋雨前線が活発化し、名古屋市周辺では年間降水量の約3分の1にあたる雨が、わずか二日で降りました。

私は当時、名古屋市内の高校に勤務していました。その日は朝から雨が降り続いていましたが、生徒たちは学校祭の準備や部活動に取り組んでいました。午後5時半を過ぎた頃、体育館の屋根を打ちつける雨音が急激に大きくなり、これまで経験したことのないような激しい雨となりました。外を見ると、すでに通路には水があふれ、足首ほどの深さに達していました。

生徒たちは帰宅しようにも学校を出ることができず、学校で待機したり、保護者の迎えを待つ状況でした。私が学校を出た午後7時半頃には、道路は長靴でも歩くことが難しいほど冠水し、場所によっては車のタイヤの半分近くまで水が達していました。雨量が多かったことで、公共交通機関も止まってしまい、学校や駅構内で一晩を明かした生徒もいました。

翌朝、ニュースで河川の堤防決壊や広範囲の浸水被害、地下鉄やバスの運休を知りました。学校へ向かう途中には、水没し道路上で立ち往生するバスや、一階部分が浸水した家や学校など、これまで見たことのない光景が広がっていました。普段は20分ほどで到着する道のりを、3時間かけて学校へ向かったことを今でも鮮明に覚えています。

この東海豪雨では、10名の尊い命が失われました。

今回の千葉での豪雨と東海豪雨には共通点があります。それは、日没後に急激に雨脚が強まり、短時間のうちに水位が上昇したことです。暗い時間帯は周囲の状況が分かりにくく、道路と用水路の境目なども見えなくなります。そのことが被害を大きくした要因の一つであったと考えられます。そして本校の周りにある田んぼ、用水路などは大雨の時、排水機能が追い付かなくなった状態だと危険な箇所ばかりです。

避難訓練の際にも話しましたが、災害はいつ、どこで起こるか分かりません。大切なのは、まず自分の命を守る行動をとることです。そして、「まだ大丈夫だろう」「もう少し様子を見よう」という油断をしないことです。無理な行動や避難の遅れは、取り返しのつかない結果につながることがあります。ぜひ今日の「防災の日」をきっかけに、通学路途中の危険個所、災害時の避難場所や避難経路、家族との連絡方法についておうちの方と話し合い、確認してください。

話は変わりますが、夏休み中には地域のボランティア活動に多くの皆さんが参加してくれました。主催者の方々からは、「積極的に活動していただき、大変助かりました。おかげで素晴らしい行事となりました」と感謝の言葉をいただいています。

また、高齢の方が道端で倒れていた際には、ためらうことなく救助にあたった生徒もいました。その方は幸い大事には至らず、後日、一緒に救助した地域の方から学校へ感謝のお電話をいただきました。

私は、このような皆さんの姿を大変誇りに思います。

ボランティア活動も、人助けも、決して特別な人だけができることではありません。困っている人に声をかけること、誰かのために少し力を貸すこと、そのような小さな行動の積み重ねが地域を支え、社会を支える大きな力になります。

これは学校生活でも同じです。皆さんの親切や思いやりが、悩んでいる友人を支えたり、落ち込んでいる仲間を励ましたり、何気ない一言が、その人の勇気や自信につながることもあるのです。

皆さんには、自分のことだけでなく、周りの人を思いやり、社会に貢献できる人へと成長してほしいと思います。そして、「誰かのために行動できる人」であってほしいと願っています。

2学期は、皆さん一人ひとりがさらに成長できる学期です。失敗を恐れずさまざまなことに挑戦し、仲間と協力しながら、自分自身の可能性を広げてください。

皆さんにとって実り多く、充実した2学期となることを願い、始業式の式辞とします。