卒業生への3つのまなざし〜センス・オブ・ワンダー

安城東の大いなる挑戦!〜人生の新しい風景を描く

1つ目は、必要な時期に劇的に変化できる力の源は、新しいキャリアが始まったこの数年間で身に付く。

若さの恩恵として与えられる自由な時間は、この世界の成り立ち、自然と人と社会との関係、人としての責任の自覚など、いろいろなことを考え、試せる唯一の機会です。そのタイミングがこれからの数年間なのです。予想外、想定外のことがあるでしょう。しかし、それらを乗り越えて振り返ってみれば、その試練は、あなたを力強く守ってくれる糧(かて)となっているでしょう。人生は、「山あり、谷あり、だからこそ美しい」と私は考えています。そして、必要な時期に劇的に変化できる力の源は、新しいキャリアが始まったこの数年間で身に付くと考えてください。

2つ目は、他人からエネルギーをいっぱいもらえる人が人を愛せる。

自分自身で満足している人は、人に求めるものがないから人を愛することはできません。他人からエネルギーをいっぱいもらえる人が人を愛せるのです。そんな人は、やがては、北極星の如き目標となって人を照らし、人からも愛されることでしょう。

最後に、創造性や発想力の源は、「センス・オブ・ワンダー」のまなざしをもって学ぶことにある。

数々の科学技術の発達は、私たちの想定を超えた勢いで進み、今話題の対話型人工知能の利用もすぐに一般化するでしょう。しかしながら、コンピュータアルゴリズムの論理や文法に規定される領域と私たちの感性に規定される生活には、大きな隔たりがあることを意識する必要があります。

「センス・オブ・ワンダー」という言葉が私は好きです。これは、アメリカの環境保護活動家レイチェル・カーソンの著書名となっている言葉です。直訳すると、「驚きや感動の感覚、感覚的な不思議さ」ということです。これは、新しいものに出会ったり、美しいものを見たり、自然の力や神秘的なものに触れたりすることで、人が感じる感覚や能力を表現する言葉です。物事を新鮮な目で見ることは、創造性や発想力の源になります。「センス・オブ・ワンダー」をもって(クリック!)、いつまでも学び続けてほしいと思います。

人生における最高の仕事は、自らが生徒として学び続けることです。学校に卒業はあっても、学びに卒業はありません。これからは、みなが同じ速さで進むこともありません。自分の歩みの速さで進めば良いのです。

これから豊かな人生を切り拓いていってください。第45回生のみなさんのご健闘をお祈りいたしますとともに、3年後に控えた「創立50周年 安城東の大いなる挑戦!それは・・・」で、みなさんとお会いできることを期待しています。

令和4年度東高祭の各団長とともに、卒業式後に

令和5年3月3日

愛知県立安城東高等学校 第45回卒業証書授与式 式辞(抄)

第14代校長 村瀬 正幸